コーヒーの祭典 SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2023 新家製作所 コーヒーミル

2023 SCAJ/ ARAIE MFG/ Coffee Grinder -4 stage milling cutter- - Pretty New Design-

少しずつ、優しく、丁寧に挽く

その思想を実現するために4段重ねの刃で挽きます。
思想は単純ですが、それを実現するのは独自ノウハウの超精密加工なのです。
そして美味しさたっぷり、まろやかな味わいとなりました。
(PATENT No. 7254323)

味わいをつくるということ

比較
4段構成の刃は、それぞれの段の働きの組み合わせで味わいを作っています。
たとえば2段目の刃を働かなくしてみましょう。
挽いた粉の違いは見た目ではわかりませんが、酸味が強くなって味の評価が激変します。
X X X
2/5
酸味
3.5/5
Y Y Y
3/5
Z Z Z
2/5
X X X
2/5
酸味
4.9/5
Y Y Y
3/5
Z Z Z
2/5

これはとても分かりやすい例です。

刃先の形状、長さ、ねじり角度、枚数などなど、
多数の組み合わせを試してこの4段構成の刃になりました。
全く新しい設計~Pretty New Design~によって、自由に味わいを追求して造り上げたのです。

粗挽き~細挽き、粒度を調整する

ボディのダイヤルを回して簡単に粒度調整ができます。
設定した数字で挽いた粉の平均粒径がわかるようになっています。
テスト
挽きたてのアロマ(香り)でミル刃の特性を確認

自家焙煎の美味しいコーヒー、美味しいと思ってコーヒー豆を買って帰ったのに、自宅で挽いて飲むとなんか違う。
そんなご経験はありませんか?
コーヒー粉とお湯の量、お湯の温度、抽出時間などに加えて『平均粒径』も合わせると美味しさが急接近します。
(再現実験ご協力:Cafe Sucre様)

平均粒径という共通言語(パラメーター)で供給者と消費者のつながりを作りたい。
そして粒度調整は『簡単にできる』に加えて『再現性』がテーマとなり、これを実現する機構と加工方法を追求しました。

FAQs

1 発売時期は? 価格は?
町工場で造るが故に価格を抑えられる面もありますが、量産品としてのコストが懸念されます。
良さそうだけど買えないというお声も頂戴しております。
高機能製品、高付加価値製品であれば高価格でも良いのではというご助言もいただいていますが、謙虚に設計と製造を見直したいと考えています。
つきましては自社生産にはこだわらず、提携や協力などの関係を検討していきます。
発売時期と価格を見直すことにつきまして何卒ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
2 電動にしないのか?

電動化も視野に入れております。

しかし、現段階では回転速度を上げると味わいに変化が生じるために、慎重に検証を進めたいと考えています。

3 平均粒径で再現性のメリットを主張しているが、粒形や粒度分布が大事なのでは?

そのとおりです!

粒の形状(薄片状、多角形状など)や粒の表面性状(平滑、多孔状など)により抽出度合いが異なり、味わいへの影響が想定されます。

いくつかの既存ミルと試作ミルで挽いた粉を比較してみました。

顕微鏡を用いて、気が遠くなるほど無数の(と言いたくなるくらいの)粒を観察しましたが、それぞれの差異やバラツキが大きいため、ミルによる傾向の違いを特定できませんでした。

また、ご協力頂いている研究機関の電子顕微鏡を用いた分析によっても現段階では、まだその違いを特定できていません。(感覚的にはステンレス刃とセラミック刃で違いがあるように思われますが、明示的に表すことができていません)

次に粒度分布ですが、ミルによって特徴が出ます。そしてその違いが、味わいの違いとなるようです(私でもわかりました)。

ミルによって粒度分布に特徴があると言っても、その分布が粒径なのか、表面積なのか、体積(あるいは重量)なのかによって分布は異なります。粒径で評価すると差があるのに、体積で評価すると差が少ないということも起きえます。

また粒度分布の計測方法は様々ありますが、コーヒーの粉であれば、ふるい分け(メッシュ)、画像解析、レーザー回折・散乱法などでしょうか。

それぞれにできること、できないこと、精度の違いがあります。例えば、ふるい分けだと挽いた粉の全部で分布を把握できますが、分布は限られた数段階でしか把握できません。画像解析はごく一部のサンプル計測となりますが、細かく分布を把握することができます。

当社では粒度分布の計測には画像解析を用いており、計測回数、計測方法を定めることで同一の評価基準で比較評価を行っています。

粒度分布を比較評価し、これをもとに再現性を確保することはきわめて複雑な作業となり(AI判定装置を開発中の企業がありそうですが)、現状では困難です。

当社では画像解析を用いて同一の計測基準で平均粒径を求めていますが、平均体積、平均重量あるいは平均表面積を代表パラメーターとして扱うのでも良いのです。

それは簡略的な手段に過ぎませんが、再現性を単一の代表パラメーターで評価することを提案したいのです。

統一された計測方法が定められることによって、どの製品にも共通するパラメーターが使えるようになればいいと願っております。

 とくにコーヒーを愛好する個人にとっては、実は挽き目がわからないという悲惨な状態よりも(挽いた粉を見ただけで粒度を把握できるものではないです!)、せめて平均粒径というパラメーターを使うことで、劇的に再現性を得ることができると考えています。

(東京工科大学大学院 安川教授の分析より)

4 製品の個体差で粒度にバラツキがあるのでは?

粒度に影響する部品や部位は、10μm以下の精密加工の技術で精度を出します。

また、それぞれの部品の精度の積み上げも考慮した設計でバラツキを最小にします。

そして、部品組み付け後の較正作業(キャリブレーション)を行うことで個々の製品のバラツキを無くします。

と書くのは簡単ですが、実際にはバラツキを無くすことは決してできません。

バラツキをコントロールして局限するというのが私たちの力量を発揮するところと認識しています。

5 微粉について
コーヒー愛好家の方とお話すると、必ずと言っていいほど微粉が話題になります。ネット上にも様々な知見があげられています。 ふるい分けで微粉らしき粉を除去すると“美味しく”感じられることもありますし、その微粉だけを集めて淹れるとやっぱり不味いなぁと思います。 今は除去した方がいい微粉の大きさの閾値をどのように設けるのかで頭がいっぱいです。 成分が抽出される表面からの深さ(微分方程式を解いて算出された方がいます)をもとに微粉の大きさを仮定して、実際の粒度分布から微粉の表面積を計算すると、意外と過抽出成分は少ない結果となります。人の感覚は思っているより敏感なのかもしれません。 余談ですが、厚さが均一と言える茶葉だとこんなことを考える必要がありません。 味覚に基づいた経験則もないうえに、理論にしても、実験にしても納得できる閾値の知見のないままに、私たちが微粉と称するものを除去する仕掛けを作ってしまうのは無思慮というものです。大事な豆を無駄に捨てることになったり、逆に手間暇かけて効果がなかったりということが想定されます。 残念ながらこれがいまの私たちのレベルです。 微粉を風で吹き飛ばす、静電気で除去する、メッシュ(網目)や円孔版や整流板で分離する、遠心分離するなど、その機構を考える(夢想する)のは楽しいことなのですが・・・
6 粒度分布を自慢していませんでしたか?

はい、そのとおりです。

試作ミルの粒度分布を既存製品の粒度分布と比較すると、正規分布からの歪みが小さい、また微粉の少ない粒度分布と言えます。正規分布により近いから良いはずと考えていました。そして、これをアピールポイントにしようと考えていました。

しかし、これはミスリードとなるかもしれません。

正規分布から外れ過ぎている分布(歪度、尖度で表されます)、ガタついた分布は良くないのは確かですが、正規分布により近ければ良い=美味しいとは言えません。

電動、手動に関わらず世界的に評価を得ているミルを用いて得られた粒度分布は、どれもより正規分布に近いと言えるわけでもなく、美味しいを示す分布の特徴を見出すことができていません。

私たちのレベルでは粒度分布から美味しさを特徴的に見出すことが不可能なのか、あるいはそもそも高評価にブレがあるのかもしれません(人間の心理として権威性に弱いという面もあるので)。

主要な抽出成分ごとに、個々の粒の表面積から算出される抽出量を粒度分布で積分してその総量を求め、抽出成分チャートが作れたらいいなと想像しています。

そこまでシミュレーションすることができたら、この粒度分布のパターンが良いなどということもできるかなと思っています。

きっといくつかの企業や研究機関では、このようなノウハウ、データを蓄積されていることと思います。

私たちも定量的に粒度分布と味わいを研究していきたいと思いますが、

設計や試作にあたっては、当初の『少しずつ、優しく、丁寧に挽く』というコンセプトに立ち返っています。

7 手回しはシンドイですよね? 結局、面倒なので使わなくなりませんか。

はい、力のない人にはシンドイかもしれません。

当社のミルは本体のくびれ部分を持ってください。手の小さめの女性でも大丈夫です。この太さがシンドイかどうかという点で大きな差となります。 あと底面を体(お腹や太ももなど)で支えるのがちょっとしたコツです。 少し斜めに傾けて挽くのも良いかもです。

つぎに、Q1 何周回せばいいの? Q2 どのくらいの力が必要なの?という疑問に対してデータをとると、よく切れる刃とベアリングを使用してボディ剛性のある上位機種になれば、この2つのパラメーターは相反しており、バランスの問題になります。 試作ミルは、世界的高評価を得ている手挽きミルと同じようなバランスになっていて、比較的軽く挽くことができます(たまたま偶然ですが)。

個人的な経験ですが、最初に買ったコーヒーミルは骨董品のようなクラシックスタイルの手挽きミルです。ずっと憧れていたものですし、挽きたてのコーヒーを味わうという幸せを手に入れたと思ったのですが、あえなく挫折。疲れるしメンドクサイ。

それからだいぶ月日が流れて、いまは毎朝、試作ミルのハンドルを60周回して豆を挽くのが楽しみになっています。コーヒー生産者や焙煎屋さんの想いに触れて、美味しいコーヒーへの期待が高まっていく60周です。 ベートーベンは毎朝しっかり60粒数えてコーヒーを淹れたそうですが、私は毎朝60周回してコーヒーを淹れています。 ちなみに私の手は小さいし、腕力もありません(音がでますが、動画をご覧ください)。

8 コーヒー豆の他に挽けるものはないの?

いろいろ試しています。

お米も挽けます。超時短調理の砕米粥がおススメです。エコなだけでなく、貴方の健康にも。そしてダイエットにも。お米用の刃も試作しています。

ナッツ類、香辛料も挽けますが、小豆は苦戦中・・・

 

9 開発者の思いを語れ

これもよくある質問です(どなたもこんな言い方はしませんが)。

もともとは、おもしろそう! という単純な動機しかなかったのですが、コーヒーを愛する方々と接するうちにだんだんと不満が湧いてきました。コーヒーのためにあちこちの微妙な違いにもこだわる人たち。たとえば抽出の温度は一投目が90℃という具合に。でも、粒度はなんかテキトウ。お醤油を入れたら味醂もちょっと足してねというおばあちゃんの秘伝と同じぐらいに曖昧。ご本人は中挽きでペーパードリップと思っていても、実際に計測してみると平均粒径1.6mmの粗挽き。それってフレンチプレス用?ということも。

でも、それは仕方のないことなのです。

大手コーヒーチェーンで使われている100万円の業務用ミルは粒度の較正が行われていますし、較正作業のメンテナンスもありますからそんな間違いは起きません。それに対してご家庭用のミルの場合、おおまかなインストラクションがあっても、個体差もありますし、製品によっては調整も面倒ですし、結局はご自分の経験で粒度を判断するしかないです。

粒度についても、コーヒー豆の販売者と消費者の間で共通の言語(パラメーター)でお話したい! それが思うところです。

 

そして新しい刃です。

コーヒーミルはずっと何十年も同じ形式の刃を少しずつ改良して使われてきました。

何をも真似ていない新しい形式の刃、Pretty new designで新しい可能性を追求したいです。Pretty new designと恰好つけて言っていますが、実は単純かつ愚直な設計思想です。

美味しい成分をたっぷり抽出できてまろやかな味わい、それがこのミル刃に求めたことです。

でもコーヒーの好みは人それぞれですから、いろいろな味わいが出きたら面白いと思います。段階的に挽くこのミル刃だといろいろな味わいを作れると思います(まさに実験計画法の出番)。これ美味しい!という出会いがあれば最高です。 

これらの思いに共感してもらえる仲間が増えたらいいなと思います。

About us

株式会社 新家製作所
ARAIE MFG. CO., LTD  https://araie.co.jp/
石川県加賀市宇谷町ヤ-1-28

Planning and Production

株式会社 AG Techniks  
 https://ag-techniks.co.jp/

Manufacturing Engineering

株式会社 Hugmu
Hugmu Inc.  https://hugmu.co.jp/

Design Engineering and prototyping

株式会社エヌエスエス
https://nssndt.com/

3D Printing technical support

Un Cafe Sucre 株式会社
https://cafe-sucre.com/

Coffee Connoisseur and
Advisor

Dynamic知財総合事務所
https://otani-hajime.com/

Patent Attorney

株式会社YFS
https:/yfs-jp.com/

Equipment Supplier

Make the milling revolution with us

We would like to express our interest in engaging in discussions pertaining to cooperative production and, if feasible, collaborative research.
Furthermore, we kindly request your consideration of the possibility of incorporating your own products through non-exclusive licensed production under our Patent Rights. This approach, we believe, has the potential to enhance your product portfolios and market reach.
We would greatly appreciate the opportunity to initiate a dialogue with you regarding the aforementioned topics. Our team is prepared to provide comprehensive information about licensing terms, collaborative research modalities, and any specific details that may be required.

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